• テキストサイズ

白い小悪魔は誰のもの?~secondseason~

第23章 ★紫色との大戦★




『お疲れさまでしたリコさん』


リコ『零蘭ちゃん、ありがとう。任せちゃってごめんなさい』


『いいえ、こちらこそすいません。大した指揮も取れず点差を開かせてしまいました』


リコ『そんなことないわ。火神くんを見たら何となく伝わってきた。ゾーンに入れたのは貴女が何か言ってあげたんじゃないの?』


『些細なことですよ。でも、それが良い方向に傾いたなら、嬉しいです』




火神の纏うオーラにたじろぐ陽泉、そんな中氷室はトリプルチームのマークを持ち前の鮮やかなフェイクで次々とかわしていく。火神が止めに飛び出すと、すかさず陽炎シュートモーションに入る。


1度目のリリースで跳び上がった火神を見抜いた氷室は2度目のリリースで放つため、ボールを真上に飛ばす。普通ならここで火神は下に落ちていく、だがゾーンに入ったことでの凄まじい滞空力がそうさせず、2度目のリリースで放たれたボールは、しっかりと弾かれてしまった。


直ぐ様誠凛のカウンターが炸裂。黒子から火神へボールが渡ると、いつもなら見ない火神の3Pが決まった。


負けじと陽泉は紫原にボールを回すと、フルパワーの破壊の鉄槌を繰り出す。しかし、ゾーン状態の火神はそれをも止めた。その威力は凄まじく、あの紫原に膝をつかせる程だった。




桃井『すごい、あのムッくんを止めるなんて』


青峰『今のアイツを止められるとしたら同じゾーンに入ったやつだけだろ』


桃井『陽泉側にもその可能性はあるんじゃないの?ムッくんとか氷室さんなら』


青峰『かもな...が、恐らくそれはねぇ』




『多分それはありませんよ』


リコ『え?どうして...』


『ゾーンに入る最低条件は、その競技に全てをかけている事。要はバスケが大好きであること。でも、それは敦が唯一欠けている事でもあるんです。資質は誰よりもある、それでも彼はゾーンには入れない』


立花『じゃあ、氷室さん。彼ならその好きという気持ちはあるんじゃないでしょうか...』


リコ『確かに..』



二人に見つめられる中、零蘭は目を閉じ静かに言い放った。


『彼は、それ以前の問題なんですよ...』









/ 290ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp