白い小悪魔は誰のもの?~secondseason~
第23章 ★紫色との大戦★
『いいのよ大我、自分の信じた道を行ったのは良いことだわ。それが失敗したならやり直せば良いだけよ。色んな事を試して、失敗して試行錯誤して、そして一つの結果に繋がればいい』
慈愛に満ちた微笑みを浮かべ、包み込まれたままの手をそのまま持ち上げると、そっと火神の指先にキスを落とした。
火神『っ...///』
『貴方に勝利を...』
紫原『....』
氷室『アツシ、気持ちは分かるけど抑えて』
紫原『分かってるし』
『指へのキスは称賛の証。貴方がまた1つ成長したことへの、ね?さぁ、ここからよ。巻き返していくわよ大我』
火神『...おう!サンキューな』
零蘭の頭をワシワシと撫でると、一息吐きながらコートへと戻っていった。
『『零蘭/零蘭さん』』
そのやり取りを見ていた黒子と伊月が自分もと詰め寄ってくるが、零蘭は暫し考え、そっと唇に指を当てると『二人はお預けです』とウインクをし、元の場所へと戻っていった。
そんな零蘭を見てお預けを食らった二人は、後で絶対キスしよう、と心に決めた。
試合再開、ペイントエリアに絞ったおかげか火神の対応が徐々に良くなってきていた。点は相変わらず陽泉が決めていくものの、火神の動きの変わりように肝が冷えていく。
そんな火神にしびれを切らした紫原がスティールを決めカウンターへと入る。あっという間にゴールへ走られ、その長い腕からダンクが決められる。その時、
紫原『なっ...』
火神『うぉおおおお!!』
紫原の早さに追い付いた火神がそのボールを弾き返した。陽泉はおろか誠凛までも驚愕した。ただ弾き返しだけではなく、その瞳から放たれる深紅の閃光と纏うオーラで感じた。火神がゾーンに入ったことを。
青峰『はっ、やりゃあ出来んじゃねーか』
『良かった...』
黒子『つくづく思います。火神君は、誠凛の光であると』
リコ『ごめん、お待たせ!ってどうしたの?』
土田『火神がゾーンに入った』
小金井『紫原を止めたんだ』
土田『希望が、見えてきたかもしれない...』