白い小悪魔は誰のもの?~secondseason~
第23章 ★紫色との大戦★
『ただのオールコートマンツーだと思った?新、と言ったでしょ?これは、テツヤのスティールを最大限に生かすための陣形。ステルス・オールコート・マンツーマンDF!』
紫原へのパスをスティールした黒子は直ぐ様シュートを決めた。
第3Q終了間際、再びスティールしたボールは伊月のシュートで決まると思いきや、時間切れによりノーカウントという結果で終わった。
『このまま陽泉が何もしてこないわけありません、恐らく敦と辰也が再び動き出します。それに、オールコートからハーフコートへ持ち込まれたら止められません』
火神『零蘭、いいか?』
『いいわよ』
火神『もしハーフコートに移行されたら、2ー3ゾーンで真ん中を俺にやらせてくれ』
『『『え!?』』』
『....それは、敦と同じ事を貴方がする、ということでいいのね?』
火神『あぁ....』
『....確かに貴方の実力なら可能性はあるけれど、あまりお薦めしないわ。せめて、ペイントエリア内に、』
火神『頼む!やらせてくれ....』
火神の燃える瞳が本気だと分かるぐらいにまで燃え、やむなく零蘭は渋々了承した。
そんな次の作戦を必死に練る仲間達の姿に、傍らで聞いていた木吉の目には自然と涙がこぼれ落ちていた。
日向『何で泣いてんだお前!?』
木吉『あ、これは...なんでだ?』
日向『聞きたいのはこっちだし!!』
木吉『いや、なんてゆーか。うまく言えないけど多分、お前ら見てたらホッとしたって言うか、一人じゃないことを実感して...つい、な』
日向『は?今更何当たり前のこと言ってんだお前!逆に腹立つわ!!』
日向のぶちギレにより、次々と賛同した仲間達によって揉みくちゃにされる木吉だったが、その表情は晴れやかなものだった。
気合いを入れ直すために改めて円陣を組み、いよいよ最終第4Qが開始する。
木吉『リコ』
リコ『何?』
木吉『やっぱり俺は、バスケが楽しい。やってて良かったよ』
リコ『??何言ってんのよ急に』
木吉『だからすまん、もうこれっきりだ。頼みがあるんだ』
日向『行くぞ!!絶対勝つ!!』