第23章 ★紫色との大戦★

青峰『そういや零蘭も、あいつは苦手だったな...』


桃井『そうだっけ？』


青峰『中学ん時一回だけ試合出たあの日、何か言われたらしくご機嫌斜めになったんだよ。あの後紫原とグチり合って機嫌直してた』


桃井『だからあの時零蘭ちゃんおかしかったんだ...そんな人が今自分のチームにいるって、どんな気分なんだろ？』






『敦を挑発して跳ばせるなんて、本当に食えない人』


木吉『あはは...そういえば白崎にはもう１つ謝らないとな。あの時、白崎がコートに入ってきた瞬間に女子だって気づいてたけど、理由があるんだろって勝手に解釈して黙ってた。でも点差が開いて俺も平常心じゃいられなくてな、俺がバラすかもしれないっていう流れを作ったんだ』


『.....』


木吉『案の定白崎の動きは悪くなった。これは半分本心だった、帝光がナメてるって言ったのは。白崎はキレて最初こそは良かったものの最後にはこてんぱんにされた』


『(あぁ、そうだった。あの後すぐは彼の言葉にムキになって踊らされたっけ...)』


木吉『だから、こんな時に言うのもあれだけど、ごめんな』


『...いいえ、いいえ。それでもあれは私がいけないんです。軽率な考えでした』


木吉『白崎...』


『でも、それでも私にとってはあの子達はそのぐらい大切な子達なんです』


木吉『あぁ、分かってるよ...』






『交代よ大我、準備はいい？』


火神『ああ！』


『頑張って...辰也に勝ってきて。大丈夫、出来るわ』


火神『分かってる、ありがとな』



火神をコートに戻し試合再開。再び氷室と一対一となるが、火神の目は完全に戦う闘志の炎を灯していた。同時にとてつもない集中力が目に見える程溢れ、それによる緊張が誠凛ベンチにまで伝わってきた。


降旗『火神....！頼む...！』


黒子『大丈夫です』



"頼みがあるんだ。その指輪、捨ててきてくれねーか"


"いいんですか？氷室さんとの大切な思い出も捨ててしまって"


"いいんだ、持ってても未練でしかねぇ。それにタツヤとの過去とお前らとの未来じゃどっちか大切かなんて決まってらあ"





黒子『火神くんはもう、誰にも負けません』