白い小悪魔は誰のもの?~secondseason~
第22章 ★火神の師匠★
アレックス『お~?さてはお前つけてきただろ?』
伊月『そうですよ。彼女を送ろうと話しかけようとしたら、アレックスさんとどこかへいくのが見えて』
アレックス『あぁ、悪いな。ちょっと女同士で大人の会話をだな』
『アレックスさんっ///』
アレックス『照れるな照れるな♪可愛いなぁ本当に』
『照れてません!』
伊月『零蘭』
ほら、と差し出された手にそっと自身の手を重ねると、そっと引かれ優しく抱き締められた
伊月『帰ろうか』
『....はい。俊先輩』
スリッと体を寄せ、俊先輩の温もりに浸っていると背後からアレックスさんの楽しそうな声が聞こえた
アレックス『アツいなお前達~♪せいぜい送り狼にはなるなよ?』
その言葉に俊先輩は妖艶に笑いながら、私を連れてその場を離れる
伊月『さあ?どうでしょうね』
アレックス『レイラも厄介なのに好かれてんな~。あの目は狼じゃなくて猛禽の目だな』
『んっ.....あ...ふっ.....///』
伊月『はぁ.....零蘭...』
なんで私、俊先輩とキスしてるんだっけ?
あのあと、家まで送ってくれた俊先輩と別れようとした時
『俊先輩、送ってくれてありがとうございました』
伊月『いや、こんな遅くに零蘭一人じゃ危ないから。それに、』
彼の視線の先は私の手首。
伊月『俺のせいで』
『もう、俊さん。気にしないでください。あの時おあいこって言ったじゃないですか』
辛そうに顔を歪ませる俊先輩を抱き締める。と言っても体格差で私が抱きついているようにしか見えないけれど。
伊月『だけど怖い思いをさせたのは事実だから。こんなに好きになったの零蘭が初めてだから、俺どうして良いか分からないんだ』
可哀想なヒト....そんな気持ちを私に向けてしまって。だけれど、だからこそ私はその気持ちに答えないといけない。それが私にできる唯一の事だから。
伊月『零蘭、我が儘を言っても良いか?』
『はい....』
伊月『まだ、離れたくない』
『....家、上がりますか?』