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儚さゆえの愛しさで【銀魂】

第1章 出逢い再び



銀時side

「金だぁ?」

意外な答えに銀時は顔をしかめながら、確認するように言う。

「こんな一国の姫様さらわなくても全然事足りるじゃねぇか。」

さらった女は確実にそよ姫を狙いに来ている。
神楽に確認していたのだ、もっと明確な目的があっていいはずだ。
例えば、将軍の命とか。

「どうやら、別の目的がありそうだな。」

土方は目を細め、タバコをふかした。

あいつと同じ考えなのは気に食わねぇが異論はない。絶対女はもっと別の目的がある。

銀時だけでなく他の人もそう思ったのか押し黙った。各各が思惑を推測するが、ピンとくるものはない。

「金は渡すのか?」

銀時が質問すれば、土方が代表するように答えた。

「近藤さんが今将軍と重臣たちに確認をとってる。……まぁ、用意はされるだろう。」

もちろん、さらさら逃がす気もないが。

瞳の奥に燃える一つの正義。
厳しい瞳によく映える。

「タイムリミットは?」

「今午後一時だ。リミットは午後二時。」

「作戦を聞かせろ。」

じろりと銀時は土方を見据える。
もちろん、土方も同様に。
数秒、二人の鋭い瞳が交わり合い、火花が散った。

「おめぇを信じろと?」

「自分のケツぐらいふけらぁ。」

土方は少し考えるような素振りをし、今度は神楽に視線を寄せる。

神楽が悪いわけではない。
それは、皆が分かっていることだ。

そして、この男が強いことも。

「いいだろう。」

そして土方は決断する。
必ずそよ姫を救い出すために。

「作戦を伝える。一度しか言わねぇ、耳の穴かっぽじって聞け。」



その言葉を引き金に真選組の作戦が始動した。


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