第3章 情報の共有 【Ⅱ】 消えたぬくもり
近藤side
「首輪!?」
銀時が正気かと疑うような目を近藤に向け、少し距離をおく。
近藤は苦笑いのまま、
「俺の勘違い。ネックレスっていうらしい。」
「お前みたいなゴリラにネックレスをやったのか、ソイツは。」
わざとらしい大きなジェスチャーで驚くと、土方が続きを語る。
「アイツの叔父の家は珍しい金属加工を得意とする所だったんだよ。それで、アクセサリーも作ってたみたいだ。」
_______________________その、近藤が首輪だと思った鎖の中心には、ぶら下がるようにして小さな星があしらわれていた。
「首輪なんかじゃありませんっ!ネックレスですっ!」
顔を真っ赤にさせ、眉をつり上げ、ぷるぷると震えながら千里は怒る。
「ネックレス……?」
近藤が得体の知れないものをおそるおそる繰り返すようにして言えば、
「首に付けるオシャレなものですっ!くっ……首輪を人にプレゼントする人なんていませんっ!」
恥ずかしさと、怒りを混ぜ合わせた声。
彼女の怒りはもっともであるが、近藤はそういうのに疎い。
分からないことを責めるのも気が引ける。
「首に、付けるんですけど。首輪じゃないです。ホラ……こうやって。」
そういって彼女は自分の首もとにあるネックレスを見せる。
小さな石をちりばめた鍵の形をしたネックレスだった。
「成程、こうやってつけるのか。」
危うい手つきながらも自分の首もとにネックレスを持っていき、つける。
太い首にネックレスは微妙な組み合わせではあったが、近藤は満足そうに笑った。
「似合う?」
「……似合わないけど似合います。」
「どっち!?」