第1章 出逢い再び
銀時side
『手出しをしないでくれ』
そう銀時に言って土方は女に飛びかかっていった。
土方や沖田の様子を眺めていても迷いが感じられ、刀のさばきにキレがない。
全く……。
じろりと銃弾の発射位置を睨む。
恐らく廃墟のひとつとんで斜め左にある屋上から。
なかなかの射撃の持ち主だ。
「銀ちゃぁん!」
考え込んでいると窓の上から、神楽の声が響く。隣には笑顔の新八と、少し戸惑いながら覗きこむそよ姫の顔が見えた。
「そよちゃん無事アルよ!」
「バカ神楽!撃たれるぞ!」
焦りつつ銀時が叫ぶと、神楽はニヤリと笑った。
「大丈夫ネ!ここ、ギリギリもう一つの建物の影になってるアル!」
_______え?
そこで銀時はあることに気がついた。
ここに自分が侵入するまでに撃たれなかったことに。
銃があるなら浸入を防ぐために使えばよかったのに。
金がほしいだけなら、それが一番だ。
もちろん犯人が一人だと仮定していたから窓から侵入していたのだが。
普通なら、こんな腕の持ち主なら、もうすでに撃ち殺していてもいいはずなのに。
なのになぜ、俺たちを殺さなかった。
何故、後方支援が動いた瞬間に撃ち始めた。
何故あの女も最初から刀を使わなかった。
何故。
_______何故そよ姫を安全な場所に連れていった______________.....。
そこで糸と糸が繋がった。
ならば、犯人の本当の狙いは________。
後方支援部隊がさらに突入していくる。
「待てバカっ……!」
何故、俺たちを撃たなかったのか。
撃つ必要がなかったからだ。
彼等の狙いは金でも、そよ姫の命でも、ましてや将軍の命でもない。
そう、彼等の目的は________……。