第1章 出逢い再び
沖田side
「な、ん……っ……!」
「驚いた?これ妖刀なの。」
あり得ない。あり得ない。
妖刀であっても。
刀が空中で力を持ちながら止まっているなんて。
「妖刀っつってもこんな力持ってるわけないだろ!」
「出来るのよ。」
美しい笑みを千里は浮かべた。
なんとか沖田は話をしようと刀を弾いたが、今度は刀がひとりでに動きだし、沖田に斬りかからんとする
「っく……!?」
「妖刀''雪螢''。主人の強い思いに反応し、主人が敵と見据えたものに主人がやめろと合図するまで、それか相手が死ぬまで斬りかかり続ける。」
沖田はさばき続けるが刀だけで動いているので、何を切ればいいのかさえ分からない。
彼女に近づこうとしても、刀が鋭い突きをかましてくるため打つ手なし。
「総悟!!!!」
千里の後ろから土方が飛んでくる。
千里はそれを見越してたように、もう一つの刀でそれを受け止める。
「土方さんもまだ迷ってるの?」
「柄じゃねぇな。千里。」
「そうですね。なんとか力任せに振り払ってる感じ。」
土方が目を見開き、歯を食い縛る。
「土方さん。さっき総悟にもいってたんだけどさ。」
「何だ。」
「いいの?」
すぅ、と千里が目を細め、顎を扉の方に向ける。
「なら、射撃をやめてはくれねぇか。テメェの仲間だろ?」
「仲間なんかじゃないよ。同志。」
「……千里。ちゃんと一から話してくれ。」
切実に土方が説得しようと試みる。
千里は悲しそうに目を伏せた。