第1章 出逢い再び
千里side
「統率力もゼロ。笑わせる。」
独り言のように呟くと、銃弾に怯えているのかふらついている隊員をまた四人叩き潰す。
「千里!!!!」
その時、初めて沖田が飛び付くようにしてかかってくる。目は静かな怒りに燃えていた。
ガキィィィンっ……!
耳障りな音をたて、刃と刃が交わる。
「千里っ……!考え直せ!」
「遅いよ、もう。」
「遅くねぇよ!」
必死な声。切迫した顔。
「それにっ……俺に勝てるのか思ってんですかィ?一度も勝ったことありゃあせんでしょ?」
「今勝つのよ。」
「あの時との俺も違ェよ、男と女の筋肉の差だってあるんだ。」
どちらとも譲らず、刀を外さない。
「ねぇ、知ってる?」
その時、千里は沖田の耳に唇を寄せて呟いた。
びくり、と肩を震わせながら沖田は厳しい目で彼女をみる。
それを確認してから絡み付くような、誘惑するような声でゆっくりと千里は話した。
「戦場では一つの命が散っただけでは負けることはないけれど、ある一人の命が散ったとき負けが起こる。」
「……何の話でィ?」
「まだわからない?」
私は口角を吊り上げ笑った後、手から刀を放す。
瞬間沖田は驚いたような顔を浮かべた。