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儚さゆえの愛しさで【銀魂】

第1章 出逢い再び



銀時side

勢いのある刃を木刀で受け止めながら、目の前の人物に確信をもった。

「テメェ、そういうことだったか。」

「何の話?」

受け答える気はないのか、また違う手で刀を取り出す。

二刀流っ……!

咄嗟に肩を左にそらし、木刀に力を込める。
それでも避けきれず、かするように銀時の肩に千里の刀があたった。

素早く千里は体制を低くし、銀時の体制を崩そうと足に蹴りを入れる。

ちょうど、すねに蹴りこまれた。

「いっ……!」

思わずよろけるが、そこを見逃すはずもなくまた叩き込もうとする彼女の姿を視界に捉える。

「万事屋!」

やっと現状を把握し始めたのか、戸惑いながらも土方に続き他の隊員たちが動き始めた。

人数は半数に減らされたため、後方支援からも約10名突入していく。

「ダメだよ、こっちきちゃ。」

嘲笑うように千里という女は微笑んだ。まるで新しい玩具を見つけたみたいに。楽しそうに。
その不気味さに銀時は一人鳥肌をたてた。

何笑っていやがる。

そう問い詰めようとしたその時。

パァンっっ!!!

近くで破裂音が響く。
間違いない。これは。

「銃声っ……!」

驚いて扉の方をみれば一人の男が倒れていた。
威嚇射撃の一貫だったのか、急所には当たっていないものの、戦闘の際、必要不可欠な膝が撃ち抜かれている。
恐らく彼はもう二度と戦場には立てない。

彼女はこの事で笑っていたのだろうか。

ならばこの銀時たちにとって予想外のことは彼女にとって作戦のひとつである。

銀時が慌てて後ろを振り替えれば、女が構えを解いてしまった隊員を一人なぎ倒す。

近くのやつも何とか構えるが呼吸もバラバラ。すぐに打ち込まれ、地に伏す。

「おい!せめて間をとれ!」

土方が指示を出すが、絶え間なく放たれる銃弾が隊員たちの動きと考えを鈍くしていた。
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