第3章 記憶....
先生は、小さく頷いた。
やっぱり、そうなんだ...。
ですが。
という声に下を向いてた頭を
上にあげ、先生を見る。
「治る可能性は十分にあります。」
...治る。
その言葉に目を見開き、声にならない声で
「本当ですか・・・っ」
聞こえたかわからないくらいの小さく
今にも泣きそうな、情けない声が出る。
自分の問いに、先生は爽やかな笑顔で
優しく頷く。
「...よかった。あの、記憶を取り戻すにはどうしたらいいですか?」
「そうですね、松本さんの場合はご自分では覚えてらっしゃないかと思うんですが、えー松本さんは凄く認知度の高い芸能人、アイドルとして活躍なさってたんですよ。」
アイドル...
「それは、嵐ですか?」
と、聞いた瞬間先生は一瞬少し驚いたような顔を
していたけど、すぐに真面目な顔に戻った。
「えぇ、ご存知でしたか。そうです、嵐というアイドルグループ。松本さんを含め5人で活動しています。今も。」
「今もですか...それなら、ファンとかもいたんですか?」
「えぇ、それはもう百何万人以上もいますよ。」
びっくりしすぎて、何も言葉にできなかった。
「そんな中、事故にあわれたわけですし、精神的にも非常に大変かと思いますが、もしその現実を受け入れることができるのであれば...ファンのため、そして何より松本さんの仲間のことを思い出すよう頑張ってみてください。」
...戸惑いながらもただただ頷く。
そして先生は、俺にニコっと小さく微笑んで
病室を出て行った。