第7章 文化祭scramble!!
『次の日曜日は休み?』
ベッドの上でゴロゴロしていると鳴ったメールの着信音。
そこには珍しい相手からのメールだった。
研磨は基本余り連絡をして来ない。
まぁ、わざわざ連絡せずとも学校で顔を合わせるからだろうが。
だから、明日学校で会えると言うのにわざわざメールをして来た理由が少し気になる。
『久しぶりに日曜休みだな。』
メールではきっとスルーされる。
だから俺は明日学校でわざわざメールをして来た理由を聞いてやろうと思った。
翌日、研磨と顔を合わせるなり開口一番にこの話をした。
研磨はあからさまに嫌な表情を見せた。
「ぶっひゃひゃッ。そんな表情すんなよ。」
「え…だってメンドイ。」
「研磨がわざわざメールなんて…チャンの事だろ?」
こんなヤリトリをしつつ半ば強引に俺は研磨に着いて行くことにした。
“秀徳高校”都内随一の進学校でありながら全国区の強豪校と詠われる部活を幾つも抱えている。
研磨の幼なじみのチャンはバスケ部のマネージャーらしい。
「チャン元気そうだね。」
「黒尾さん。久しぶりですね。」
セーラー服が新鮮な気がする。
それ以上に相変わらず可愛い笑顔にキュンとなる。
当たり前と言うか…夜久もリエーフもこの可愛さに完全に射抜かれてる。
研磨の手を取り歩き出したチャンが振り返る。
「私が案内するから!迷子になったりしないでね?」
しません…しませんよ。
チャンの可愛い笑顔しか目に入らないから。
そんな事を思いながら研磨とチャンの後ろを歩いていると向こうから黒髪の男が駆け寄ってくる。
「チャン!」
「高尾君、どうしたの?」
「宮地サンが連れて来いって。」
いきなり「チャン」呼びの男の登場に研磨の警戒心はメーターMAX。
そして更にその人数は増えそうな気配。
「チャン?」
俺の問いかけにチャンは慌てて紹介を始めた。
「バスケ部の高尾和成君。私と同じ1年生。」
(1年でこの身長か…)
俺は研磨と夜久の表情をチラ見した。
夜久に至っては臨戦態勢になってる感じがある。
研磨は面倒くさそうにしながらもチャンの手は離す気は無いらしい。
ほんの少しだけ楽しくなりそうな気配に俺は口元が緩んだ。