第7章 文化祭scramble!!
『来週の日曜日。文化祭するんだけどもし良かったら遊びに来ない?』
からのメールに俺はすかさずクロに確認のメールを送った。
暫くして返ってきたメールには『休み』の2文字があって、俺は携帯を握ったままベッドに転がった。
『休み…らしいから。行く。』
都内の閑静な場所…
緑が多いこの場所には殆ど来たことがない。
「うっわー!なんか東京っぽくないですね!」
「リエーフ、迷子になるなよ?」
「夜久サン酷い!!」
「うるさい…」
俺の呟きは届かない。
クロがついてくると言い出したら、夜久サンとリエーフまで来ることになったのは計算外。
知ってる…はクロのお気に入り。
夜久サンはこの学校の文武両道な所が気になってるだけだろうし。
リエーフは好奇心旺盛なだけ。
だけど…に会わせたくない。
コレは俺の本心。
進学校だけあって“秀徳高校”の学生はみんな頭が良さそうに見える。
「研磨!!」
手を振りながらが駆け寄って来る。
その姿を確認して俺は他の3人の表情を盗み見る。
「チャン元気そうだね。」
馴れなれしいクロにちょっとだけイラっとした。
「クロ、馴れなれしい。」
「可愛いから仕方ないだろ?」
「それは知ってる。」
夜久サンとリエーフはキョトンとしている。
「初めまして。研磨と幼なじみのです。」
「はっ…初めまして。夜久です。」
「おっ…俺は灰羽リエーフ!!!」
「みんなに馴れなれしすぎ。」
俺のそんなヤキモチを気にする事もなく、が俺の手を取った。
「私が案内するから!迷子になったりしないでね?」
嬉しくて…恥ずかしくて。
だけど暖かいの手に俺は自然と小さな手を握り返していた。
「あー!!!研磨サンずるい!!」
「うるせー!リエーフ!」
「お前たちがな?」
後ろで繰り広げられる会話に俺はウンザリ。
「ホント、うるさい。」
そんな俺の気も知らずには微笑んでくる。
「学校。楽しそうだね。」
まぁ…退屈はしないけど。
少しほっといて欲しい。
これも俺の本心。