第6章 バレンタイン
ゾロside
サンジ「クソマリモに本命チョコ?!」
アリス「ダメかな」
サンジ「いやいや、あのマリモ野郎がうらやましくて」
完成した三週間かけて作った、洋酒の効いたトリフ。
これが難しい。
酔って、寝ちゃたことも何回もある。
それでサンジに部屋まで運んでもらったことは、数多くあるかも記憶にないんだよね。
誰に運んでもらってたのか。
アリス「ねぇ、思ったんだけど」
粉のチョコを振りかけながら話す。
サンジ「粉振りかけすぎるよ」
そうだった昨日も同じ失敗をしてる。
ゾロ以外お酒は全員ダメで、試食できる人がいないか。
手を止めて箱に入れて、ラッピングして冷蔵庫に入れる。
次の日
お昼を過ぎた後に、キッチンに行って箱を渡してもらう。
サンジ「昨日アリスちゃんを部屋に運んだのは俺じゃないからね」
そうだ昨日失敗して試食をして、酔っ払って寝たんだ。
じゃあ誰が私を?
アリス「誰が運んだの?」
サンジ「さぁ? これから渡す本人に来てごらん」
ゾロ?
重たくなかったかな
アリス「渡してくる」
サンジ「いってらしゃい」
キッチンを出た後に、私は展望台へと登りトレーニング中のゾロ。
カッコいい
しばらく見つめてると話しかけられる。
ゾロ「そんなところで突っ立てないで座ったらどうだ?」
ここにいてもいいんだ。
私は何故か許してくれてる
みんなは『早く要件を済ませろ』とか冷たいのに。
ゾロは一匹狼だから
トレーニングが終わり、タオルで頭を拭くゾロ。
チャンスだ
私は立ち上がって箱を差し出しながら言う
アリス「これバレンタインチョコよかったら食べて」
ゾロ「一応聞くがよ、本命か? 義理だよな」
アリス「本命ったら?」
突然おでこをくっつけてきた。
心臓が飛び出るんじゃないかと思うくらいドキドキしてる。
ゾロ「本命だったら嬉しい」
アリス「本命だよ、私はゾロのこと一人の男の人として好き」
ゾロ「俺もだ、毎回酔って寝てるアリスを運んでると寝顔が可愛くて一回だけキスしちゃたんだ」
ええええええーーーーーーー!
アリス「毎回運んでたの? サンジは?」
ゾロ「クソコックは、キッチンから甲板に出たまであとは俺だ」
そうだったんだ。
アリス「これ洋酒の効いたトリフだよ」