第4章 エフラファ
[王女様。何をされているのですか?」
アリスは庭で剣を振っていた。
「剣の練習してるの!」
オルファーは顔を押さえて言う。
「あれほどお父様にやめるよう言われたではありませんか。」
「だって・・・お兄様もやってるよ!」
「あなたは違うのです。」
頬を膨らませ城へもどるアリス。
(オルファーの馬鹿!!)
__退屈か?__
どこからともなく声がする。
「え!誰!?」
__城の南の塔へ来い__
「南の塔・・・。」
アリスは南の塔に向かう。
だがそこへ行っても何もない。
「ここじゃないってこと?」
(お父様に聞いてみようかな・・・でもまた怒られたらどうしよう・・・。)
そんな中頭に浮かんだ人物はエフラファ王国兵長の女戦士サーシャだった。
「サーシャさんに聞いてみよう!」
サーシャは自室にいた。
「どうしたんだい?王女様。」
サーシャはアリスを手招きした。
アリスは声のことを言って南の塔を尋ねた。
「声がね・・・あんたはやっぱり・・・南の塔か。」
サーシャの意味ありげな言葉に首を傾げる。
「これを知ったら王は何と言うか・・・まぁ私もそれは覚悟だ、心当たりがある。連れて行ってやる。」
アリスは目を輝かせる。
「だが今すぐにではないぞ。今日の夜に裏庭に抜け出して来るんだ。いいな。」
頷く。
「あの・・・サーシャさん。このことはお父様には黙っていてください!」
アリスの行動がバレてしまえば1週間は城から出してもらえないだろう。
「あぁ、分かっているさ。さぁお行き。」
サーシャはアリスの背中を押す。
その夜、彼女の運命が動き出すきっかけとなる出会いが起こった。