第1章 ハニー
「青峰っち!肉まんおごるっス!」
「おっ、いいのかよ。今日は海常が……」
「いいんだって!も〜何個でも好きなだけ食べてよ!」
海常近くのコンビニで、ホクホク顔で青峰に肉まんを差しだす黄瀬のゆるんだ顔から、結はそっと目を逸らせた。
「すごかったね、今日のきーちゃん。今もあんなにご機嫌で、すっごく嬉しそう」
「そ、そーですね」
「絶好調の原因は、なんだろうね。ふふふ」
その原因に心当りがないわけではない。
むしろありすぎだ。
何もかも見透かしているかのような桃井の瞳から逃れるため、結は言葉もなくうつむいた。
end