第51章 キスミー
優しく重なるだけのキスが、その先を求めて唇を割る瞬間が好き
「結……」
普段は聞けない低めの声が好き
「ウィンターカップが終わったら一緒に部屋、探しに行こっか」
コートの上で軽やかに舞う姿も、飛び散る汗も
「はい」
「オレ、頑張るっス」
きっと彼は──彼の率いる青の精鋭たちは、目指す場所にたどり着くだろう。
そう信じていれば、必ず。
「楽しみにしてます」
「うっし!じゃ、さっそく期待に応えますか」
布団を蹴飛ばして、覆いかぶさってくる身体の中心に、雄々しく勃ち上がるそれはまさかの臨戦態勢。
「え……ちょっ、待って、バスケの話でしょ!バスケの!」
「今の流れは完全にコッチっしょ。もうオレ、完全にスイッチ入ったんスけど」
やっぱダメ?と耳を垂らすポーズは建て前だと分かっているのに。
「確信犯め……」
「気のせいっスよ。ところでまたアレ、着けてくれる?」
甘えるようにすり寄ってくる身体の重みを受け止めながら、結はこんな幸せな朝が訪れる日を夢みるように、優しいキスに目を閉じた。
end