• テキストサイズ

【黒バス】今夜もアイシテル

第42章 ファウル



「結、シャワーの温度どう?もっと熱くした方がいいスか?」

「ん。大丈夫、です……」

ほどよく温かいシャワーを頭から浴びながら、黄瀬はまだ朦朧とする思考の中で、床に落ちそうになる水着を引っ張りあげた。

海を思い出させる深い青緑をベースに、白と黄の細いラインがウエストに入った水着は、今夜の思い出とともに一年間眠ることになるのだろう。

(ふぅ、危なかったっスわ……)

オーラルセックスは、するのもされるのもあまり好きそうではなかった彼女が、こんな風に求めてくれたことは素直に嬉しかった。

だが、さすがに口に出してしまうのはまだ抵抗があった。

足元にうずくまって自分のモノをくわえる淫らな姿が、まだ網膜をチリチリと焦がす。

頭を押さえつけ、腰を振りそうになるオトコの本能を抑えた自分に、いつか神さまがご褒美をくれるはず。

(あぁ……でも気持ちよすぎて、ちょっとクセになりそ)

キレイになった髪を撫で、ほんの少しの後悔の念とともに、心地いい倦怠感と胸を満たす幸せを味わう。

「だいじょーぶ?口の中、気持ち悪くないっスか?」

「ん。そんなこと……平気、です。最後まで、その……シて、あげられたことなかったから、よかった……」

スリスリと胸に鼻を擦りつける彼女は、まだ興奮覚めやらぬ様子でおとなしく腕に抱かれたまま。

「ありがと、結。スゲェ気持ちよかったっスよ」

「でも、涼太の……欲しかった、のに」

「へ」

「今度は……ちょ、だい……ね」

「!? ちょっ、結!それ一発退場の反則っスよ!」

シャワーでほんのりと曇る空気を切り裂くように、黄瀬の悲痛な声が響き渡った。





/ 521ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp