第25章 ヒート
「……ふ、ぇ?」
「なんスか、その声。煽ってんの?ねぇ」
黄瀬の膝の上に、大きく足を開いたまま背中を向けて座るような格好に、結は目を白黒させて慄いた。
繋がったままの楔が、体の重みでズプリと奥へ沈む様は、まるで自ら誘っているようで。
「やぁ……違っ、お願い……こんなの、無理」
その願いを許さないとばかりに、腰にキツく巻きつく腕と、振動する下半身が挿入をより深くしていく。
「ひゃ!深、い……やぁ、っ」
「こーいうの、ダメ?」
閉じようとする膝を制止するように、敏感な尖りを擦る指先に、神経をすべて支配される。
「だ、駄目……っ、涼太、お願い」
「こんなにプックリさせてんのに?カラダは、気持ち良さそっスよ」
「ア、あぁっ!」
自覚させられるように指先で少し強く摘ままれて、のけ反らせた首をベロリと舐められれば、もう逃げ場は無かった。
肌に触れるヒヤリとした感触は、おそらく彼のピアス。
「ホラ。今すげぇ締まって……そんなにオレの美味し?」
「や、だぁっ、言わない……で」
どちらのものか分からない汗で濡れた身体は、少しの嫌悪感もなく。
「もっと味わってよ。全部……結のだから、さ」
さらに高みへと誘う腰に、結はゆらゆらと波間を漂うようにただ翻弄され続けた。
「ぁ、あぁっーー……ッ!」
「ハッ……イイ声。もっと聞かせて」
繋がった部分から生じる淫らな音が、湿度を上げた部屋に反響する。
彼の行為を止めようとその手首をつかんでも、力の入らない状態ではなんの変化も与えられない。
「や、あっ、あ」
「言ったよね、もっと……エロいこと、するって」
こんなの序の口っスよ、と囁いた声を合図に、容赦なく始まる上下運動。
「ア!ぁっ……凄、っ」
「もっと、結の気持ちいいトコ……教えて」
下からの突き上げにふるりと揺れる乳房を、大きな手がそのカタチを変えながら揉みしだく。
「やわらかくて気持ちい……アレ、少し成長したんじゃないスか?オレのおかげ、かな?」
背後から、鼓膜まで濡らすように響く妖しい声。
「やだ……ん、涼太のバ、カ」
「それ、逆効果だって」
今のは結が悪い……と荒くなる呼吸とリンクするように、さらにペースを上げる黄瀬の攻めは決して緩むことはなかった。