第23章 ガーディアン
「私、黄瀬さんの隣にいてもいいん……ですよね?」
めずらしく弱気なその言葉に、黄瀬は小さな身体を抱きしめる腕に力を込めた。
「な〜に言ってんスか。まだ分かんないの?オレ、泣くっスよ」
しんみりする雰囲気を払拭するように、ぐすっと鼻を啜ってみせながら、柔らかい胸をふにゃりと包みこむ。
「ゃ、ちょっ、何して」
「だって、まだ伝わってないみたいだからさ。好きなのは……オレが欲しいのは、結だけだって」
期待通りに反応する先端に気をよくして、動きを活発にする手のひらの中、しっとりと汗ばむ蕾がカタチを変える。
「もうこんな固くして……カ〜ワイ」
「違……っん」
「もう絶対に無茶しないって約束する?そしたら、やめてあげてもいいけど」
「やめるつもりなんて……ン、っ、ないくせに……」
「さすが、オレのことよく分かってるっスね。じゃ、遠慮なく……」
「ひゃ、ん」
「……結」
彼女が傷付くことが何よりも怖い──それは初めて知る感情だ。
(でも、絶対に守ってみせる。他の誰でもない、オレが)
「もし、結に何かあったら、オレ例え相手が誰であっても容赦しないから」
「……涼、太」
熱を帯びる甘い声に、すぐさま反応するカラダは若さの証。
「ねぇ、結……まだ時間はだいじょぶ?」
一瞬の間。
返事の代わりにコクンと首を縦に振る身体を、後ろから強く抱きしめる。
「もっとエロいこと、してもいい?」
「お、お手柔らかにオネガイシマス」
「約束するなら優しくしてあげてもいいケド……どーする?」
やわらかな臀部にわざと押しつけた昂りに、「ひゃっ」と声をあげて逃げる腰を、黄瀬はぐっと引き寄せた。
「返事は?」
「っ、そんな約束、出来ません。だって、守られるばっかりなんて不公平……ンっ」
聞き分けのない恋人に、どうやってお仕置きするか、学校ではあまり使わない頭をフル回転。
顎を掴み、背後からその頑固な唇を覆いつくすと、戸惑いながらも応えてくる舌に、逆にノックアウトされる寸前だ。
「ハ、結はカラダの方が素直っスね。じゃ、ご期待に応えますか」
「……涼太のイジワル」
身体の向きを変えて、甘えるようにしがみついてくる細い肩を、黄瀬は壊さないように優しく抱きしめた。
end