第16章 プライド
「あ、あっ、やん……ぅ、すご、い。も、壊れちゃ……ぅ、んっ」
「なんで?こんなに……オレの美味しそうに、くわえてんのに……ハッ、壊れるわけないっしょ」
「ゃん!りょー、も、許し……てぇ」
「何を?言葉責め?それとも……」
ゆるゆると、だが自分の体重でいつもより奥に届く獰猛な昂りに、結はなすすべもなく翻弄され続けた。
浴室に響き渡る荒い息と甘い嬌声、そして淫らな水音が快感を加速する。
「や、も、ダメっ、イっちゃ……う」
「一緒にイこ……結、オレの全部受け止めて……このまま、ナカに」
「ああぁぁーー……っ!」
「う、わああぁーーっ!」
ベッドから勢いよく起き上がった翔は、キョロキョロと辺りを見回した。
「夢……?てか俺、なんつー夢見てんだよ」
すっかりあがってしまった息を必死で整える。
クーラーの効いた快適な部屋にもかかわらず、額にはじっとりと汗をかいていた。
(くそっ!リアルでも夢でも立派なもん持ちやがって……)
理不尽な怒りを落ち着かせるように、自分の顔をひと撫でし、翔はノロノロとベッドから降りた。
寝巻き兼部屋着のハーフパンツに見事に張ったテントが我ながら情けない。
「俺は欲求不満の中学生かっての……」
もうプライドはズタズタだ。
隣の部屋で寝ているはずの妹に心の中でこっそりと謝ると、翔はカラカラに渇いた喉を潤すために階下へと降りていった。
end
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