第12章 トップシークレット
六月の日の入りは遅い。
シーツの波に溺れる恋人の淫らな姿を、黄瀬は目に焼き付けながら身体を揺らし続けた。
今、何時なのか……時計を確認する一秒すら惜しい。
「ぁ、あっ……あ、ゃん」
「はっ、奥が感じんの?締めつけ、パねぇ……っ、く、そろそろオレ、限界、かも」
「も、駄目……りょ、涼太ぁ、ああぁっ!」
「結っ、オレ……も、イク……っ」
背中を大きく反らせる彼女の最奥めがけて、黄瀬は力強く腰を打ちつけた。
同時に襲ってくる高揚感と脱力感。
深く繋がったまま、黄瀬はゆっくりと彼女の上に覆い被さった。
大きく波打つ背中に浮かぶ汗が、筋肉の筋を伝うように流れ落ちてシーツを潤していく。
まだ絶頂の余韻を残して痙攣する襞が絡みつき、気を抜くとすぐにでも復活してしまいそうだ。
だが、シーツに腕を投げ出して浅い呼吸を繰り返す彼女に、これ以上無理をさせるつもりはなかった。
「ゴメ、ン……重いよね」
「ん、あっ」
「ハ。これも感じちゃったんスか?」
楔を引き抜いただけでこぼれる声が可愛くて、黄瀬は結の顔の両側に肘をつくと、頬に軽くくちづけた。
(あ、れ……しょっぱい?)
小さく眉を顰めた黄瀬は、自分の下でクタリと横たわる結の表情に、息を止めた。