第3章 ペリドットの癒し
アレスの顎を掴んでまじまじと覗き込むレイム。
身を捩って抵抗するアレスに、レイムは顔を近づけると彼女の唇を奪った。
ピシリ、とその場の空気が凍り付く。
驚愕に固まるアレスの唇を、何度も角度を変えて吸い付き、舐め回す。
アレスが意識を取り戻し、舌に噛み付いてレイムが接吻を止めるまで、それは数秒の事だったがルヴァイドにとっては一刻の様に感じていた。
「何するのよ!!」
手が不自由でなければ、アレスは目の前の男をひっぱたいてやりたかった。
「これは痛いしっぺ返しを食らいました」
舌からの出血が口内におさまらず、レイムは唾と共に吐き捨てる。
手で口許の血を拭うと、呆然と突っ立つルヴァイドに向き直った。
「この娘に捕虜という立場を分からせてやりなさい」
「………」