第3章 ペリドットの癒し
心ここに在らずといった様子のルヴァイドに代わり、レイムの言葉にイオスが動いた。
「貴様、自分が何をしたのか分かっているのか!!」
「きゃあ!?」
「命が惜しかったらレイム様に土下座しろ!!」
イオスはアレスの長い髪の毛を掴むと、膝を折らせて彼女の額を地面に擦り付けた。
「すみませんすみません!!ごめんなさいっ!!」
痛みに悲鳴混じりの謝罪をするアレス。
そんな彼女に、イオスは容赦なく蹴りを入れた。
「捕虜であることをわきまえることだ!!」
「うぅ…っ」
「これで気は済みましたか?」
汚れた顔に涙を溢すアレスを横目に、イオスはレイムの顔色を伺う。
「なんだか白けましたね」
レイムは地べたに転がるアレスの啜り泣きを、冷ややかな目で見下ろした。