第3章 ペリドットの癒し
「初めまして、お嬢さん」
ふてぶてしい態度から居直って挨拶をしてくる男に、白々しい奴、とアレスは内心で吐き捨てた。
「お前は下がりなさい」
「はっ」
アレスを連れてきた兵士を退室させ、男は銀髪を靡かせてアレスの前にたった。
「貴女の名前は?」
「…まずは先に名乗ったらどうなの?」
アレスの無遠慮な物言いに、ルヴァイドとイオスは冷や汗が止まらない。
「これは失礼しました。私はレイムと申します。軍の顧問召喚師をしています」
「……軍?あなた達何者なの?」
アレスはレイムという名の面妖な男を睨み上げる。
「旧王国のデグレアから来た、と言えばお分かりになりますか?」
デグレアという言葉に、アレスの表情が強張った。
「ルヴァイド、この娘は?」
「……捕虜だ」