第3章 ペリドットの癒し
召喚師が顔から笑みを消してイオスを睨み付けた。
「私の言葉は元老院の言葉です。ルヴァイド、部下の教育がなってませんよ」
「以後気を付けよう」
召喚師の怒りの矛先がルヴァイドに向かい、イオスは申し訳なさそうに項垂れた。
「とりあえずは、聖王都に逃げ込んだ奴等の追跡だ。今日中に部下を向かわせる」
「貴方は出ないのですか?」
「俺は奴等に姿を見られている。勘づかれたら面倒だ」
ルヴァイドは淡々と作戦を伝える。その説明にひとまずは納得した様子の召喚師。
ルヴァイドとイオスは、早く帰れと言わんばかりの視線で睨み付ける。
「話は変わりますが」
召喚師は行儀悪く椅子にふんぞり返ると、机に足を投げ出した。
「貴方が持ってる石は何ですか?」
「何の事だ」