第3章 ペリドットの癒し
「今戻った」
「ルヴァイド様!!」
自身の天幕に顔を出せば、案の定そこにいた顧問召喚師と、その対応に難儀していたであろうイオスの姿があった。
ルヴァイドは、事務机に我が物顔で腰掛ける銀髪の男を睨み付けた。
「先日の報告は書面で伝えただろう。何の用だ」
「嫌ですねぇ、そんなに邪険にしないで下さいよ。私と貴方の仲じゃないですか」
長い髪をかき上げながら言う男の言葉に、ルヴァイドは苦虫を噛み潰したような顔になった。
「冗談は置いておくとして…次こそ聖女を捕まえるのですよ」
元老院議会が五月蝿くてかないません。
「お前が村人を皆殺しにしろなどと言わなければ、隠密に聖女の誘拐をすれば済む話だったのに!!」
召喚師の嫌味にイオスが噛み付いた。ルヴァイドがそれを制する。