第3章 ペリドットの癒し
本当の事を言えば、あの男から提示されたゲームの事にまで言及するだろう。
その事をルヴァイドに話すのは得策ではない気がする。
「これは…昨日の昼前に、変な男に絡まれて、それで…」
「本当か?」
手首を掴んだまま、ルヴァイドのルビー色の瞳がアレスの瞳を覗き込む。
「本当よ!でも、何も無かったから安心して」
「………そうか」
ルヴァイドは未だ納得のいかない面持ちだが、仕方なく頷いた様子だった。
アレスはといえば、自分の発言に思わず笑っていた。
「おかしいわね。私、ルヴァイドの恋人でもないのに、何言ってるのかしら」
あの男からルヴァイドとの恋仲を示唆されて、意識し過ぎているのだろうか。
確かにルヴァイドは剣の腕も立つし、紳士的だし、何より男前だ。