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セレスタイトの歌声【サモンナイト2】

第3章 ペリドットの癒し


どうにも心を揺さぶられて、仕事どころではない。

ルヴァイドは目の前にそびえ立つ崖に足を止めて、辺りを見渡した。

「アレス、どこだ?」

崖の際までは生えていない木々。だが当然均された道などなく鬱蒼としている。
彼女から貰った緑色の小石を握り締めて、ルヴァイドは祈った。

頼むから怪我などしていないでくれ。

「アレス、聞こえたら返事をしろ」

声に焦りが表れないように自制するルヴァイド。
アレスを心配して歩く彼の耳に、僅かな気配が届いた。

「アレス…?」

気配がした木の影を見やれば、その木を背にして眠りこけているアレスを見つけた。
安心を通り越して思わず脱力する。

人の気も知らずに居眠りとは、呑気なものだ。
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