第3章 ペリドットの癒し
ルヴァイドは、知らず早足になる自分自身に動揺していた。
ゼルフィルドからの情報では、アレスは陣営からそう離れていない北の方角にいるらしい。
探知機は、その場に留まって動きがないとの事。
もしかしたら、忍ばされた探知機に気付いて捨てたか。
もしくは、怪我でもして動けないのか。
イオスから聞いた、無防備な姿で出掛けていったというアレスに、ルヴァイドは不安が募る。
と同時に、こんなにも焦る自身に唇を歪めた。
「俺は一体…何をやっているんだ」
アレスの捜索など、部下達にやらせれば良い仕事だ。
そもそも彼女は自分の気まぐれで連れてきただけなのだから、例え逃げられたとしても任務に全く支障はない。
それよりも、自分は聖女捕獲に向けての次の作戦を立てなければならないのに。