第3章 ペリドットの癒し
「……ドウシタ、いおす」
羽虫のようなジジジ…という音がしてから、無機質な音声が響いた。
のっそりとゼルフィルドが動きだし、その黒い機体が太陽の日差しを遮る。
イオスはその大きな体を見上げながら口を開いた。
「ルヴァイド様がお呼びだぞ」
「何カアッタノカ?」
ゼルフィルドは、イオスの金髪を見下ろしながら尋ねる。
「大方、あの女を探せとの御命令だろうさ」
イオスの言葉に、人型機械兵士は首をかしげる動作を見せた。
「ソノ娘、何者ダ?」
「さぁな。僕も知りたい」
同じように小首をかしげて見せたイオス。
彼は、重い機体の割りに静かでスムーズな歩行のゼルフィルドを見送ると、朝の業務を行う為に自らのテントに向かった。
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