第3章 ペリドットの癒し
「この私には歯向かうのですか?」
「……っ」
立ちはだかったのは良いものの、手元に武器もサモナイト石もない状況ではアレスに勝ち目はない。
逃げ腰になったアレスの一瞬の隙を突いて、男は彼女をベッドに押し倒すと手首を掴んで拘束した。
馬乗りで体の自由を奪われてしまった状況に、アレスの顔はみるみる青ざめていく。
「いや…止めて…っ」
無力ながらに抵抗するアレスを見下ろして男は笑った。
「楽しい事を思い付きました」
男の長い髪の毛が零れ落ちてきて、アレスは顔を背ける。
しかしその顎を掴んで無理矢理視線を合わせる男は、至極愉快そうに笑った。
「貴女を壊せば、ルヴァイドはもっと傷を負うでしょうね」
「…!?」
「私はルヴァイドの傷付くところを見るのが大好きなんですよ」