第3章 ペリドットの癒し
アレスは本能的に悟った。
この男は危険すぎる。まるで悪魔だ。
正体はよく分からないが、ルヴァイドはこの男からの精神的な攻撃を受けているのだろう。
ペリドットの波長がおかしかったのは、邪悪な気と対抗していたからに違いない。
銀髪の男は顔から笑みを消して、冷ややかな目でルヴァイドを見やった。
「標的の娘1人誘拐できずに帰還した無能な司令官にきつい罰を与えようと思いましてね」
「それ以上、彼に近づかないで!!」
不審な動きを見せた男に、アレスはつい声を荒らげてしまった。
それでもルヴァイドは一向に目を覚ます様子がない。
ベッドから足を下ろして妖しい男に立ち向かうアレス。
本来危険を冒さないはずの彼女だったが、無防備なルヴァイドを放っておくわけにはいかなかった。