第3章 ペリドットの癒し
「初めまして、お嬢さん」
プラチナブロンドの長髪に、柔和な顔立ち。高くも低くもない声色で、その男はアレスに微笑んだ。
「貴女、余計なことをしてくれましたね」
穏やかな微笑みとは相反する言葉を吐かれて、アレスは再び驚かされる。
男はそんな彼女の表情に、いやらしい笑みを作った。
「ルヴァイドの魂を癒しましたね?この男から滴る魂の傷は大層美味だったのに」
喰らいに来てみれば傷は癒えていて、妙な石がルヴァイドを邪気から守っているではないか。
「貴女が渡したのですか?」
ペリドットの事を言っているのだろうなとアレスは理解したが、反応は示さなかった。
「石を彼から外しなさい」
目の前の男のただならぬ雰囲気に、アレスの肌が粟立った。
「……ルヴァイドに何をする気?」