第2章 ターコイズの守護
「村を滅亡に導いた事は許されない。…でも、私は貴方と話してみて、完全な悪人ではないと思ったわ」
村人を斬りつける所も直接目で見たわけではない。
リューグへの攻撃に対しては、未遂に終わった。
何より家屋の倒壊に巻き込まれそうになった私を、貴方は助けてくれた。
「だから、許してあげる」
「……な、に?」
「私は今日の貴方を許してあげる。1人にでも許しを乞えれば十分でしょ?」
例え99人が貴方の事を嫌っても、1人が貴方の事を分かってくれていれば生きていける。
「…話はそれだけよ。寝ましょう…」
腕時計を身に付けていないから分からないが、時刻はとうに深夜を過ぎているだろう。
日中歩き詰めで体を休めようと思った矢先の襲撃事件で、アレスの体力は限界だった。