第2章 ターコイズの守護
アレスの言葉に衝撃を受け、二の句を発することのできないままでいるルヴァイドの耳に小さな寝息が聞こえてきた。
「…もう眠ったのか?」
彼女の顔を覗き込めば、一瞬で眠りに落ちた横顔。
寝顔ですら美しいアレスを前に、思わず体に力が入った。
寄りかかったベッドがギシリと音を立てる。
「1人だけでも自分を理解してくれる者がいれば生きていける…か」
確かに、自分には支えてくれる部下達がいる。
枕に広がる彼女の髪の毛を、そっと指で弄んだ。細くてとても柔らかい。
「俺は…」
お前を知りたい。
お前に俺を理解してもらいたい。
この気持ちは一体何だ。
ただ一つ分かることは…
「感謝するぞ、アレス」
ルヴァイドは彼女の耳に小さく囁いて、自分も床に就いたのだった。
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