第2章 ターコイズの守護
互いの武器がガチガチと音を立ててせめぎ合う。
黒騎士の力押しは、アレスの足が数センチ地面にめり込むほどだった。
アレスの使う召喚術は、威力は強大だが詠唱のタイムラグが最大の弱点である。
これ以上黒騎士のパワーを受け止めきれないと判断したアレスは、敢えて力を受け流し身を地面に転がして間合いを空ける。
僅かだが黒騎士との距離が取れて、そこで漸く詠唱が完了した。
「弾けろっ、ペンタ君ボム!!」
上空に現れた緑の光の中から、ペンギンの顔が模された爆弾が次々と落下してくる。
「ち…っ!!」
黒騎士は舌打ちをして、迫り来る爆弾を避けるために退いた。
次々に破裂するペンタ君という召喚獣は、村を焼く炎も手伝って威力を倍増させていた。
(これはちょっと…不味いかも…)