第2章 ターコイズの守護
アレスはスカートのポケットから緑色の石を取り出した。
「石がね、教えてくれるんですよ」
手の平には緑色に煌めく丸玉。それは小さいながら、とても強い輝きを放っていた。
「なんでこんなに輝いているかと言うと、貴方の心の闇に反応しているんです」
ペリドットは後悔や自責の念に苦しむ人を癒す石。
貴方の心の苦しみに、ペリドットが共鳴してるんですよ。
「貴方は本当は、村を襲いたくなかったのではありませんか」
本当は、人殺しなんてしたくなかったんでしょう?
「…黙れ」
黒騎士の手にした剣先が、僅かに震えた。兜の内の呼吸が荒くなる。
「そんなに嫌だったのなら、逃げれば良かったのに」
アレスの核心を突いた言葉に、黒騎士のフラストレーションが爆発した。