第2章 ターコイズの守護
「でも…っ」
アレスは、渋るロッカに腕を伸ばし、彼の頭を撫でてやった。
「妹と約束したんでしょう?迎えに行ってあげなきゃね」
きっと、不安で泣いてるわ。
持ち主の心とシンクロするセレスタイトの波長を、アレスは僅かながら感じていた。
「…そうですね。あの子はとても心配性だから」
唇を接ぐんでアレスを見やる双子の顔は、全く同じだった。
「アンタも絶対後から来いよ」
「ゼラムで会いましょう」
約束ですよ?
双子の言葉に強く頷くと、アレスは目の前の黒騎士に視線を戻した。
「さぁ、しばらくの間お相手願いましょうか」
杖を構えるアレスの背後で、敗走するレルムの村人。
黒騎士は今の現状を整理し、手にした剣の先を大地に向けた。
アレスは怪訝に眉を寄せる。