第2章 ターコイズの守護
「ピギィィッ!!」
「何っ!?」
突如放たれた緑色の光からスライムが現れ、リューグを庇って斬撃を受けた。
真っ二つにされたスライムは悲鳴のような声を上げたものの、モゾモゾと動き出し分裂を成功させたようだった。
リューグは突然の事に目を見開く。
黒騎士は髑髏の仮面の隙間から、スライムを放った人物を睨み付けた。
「………貴様、何者だ」
覗く眼光の鋭さに、アレスは肩を竦めた。
「それはこちらの台詞ですよ。平和な村になんて事をしてくれたんです」
アレスも負けじと、紫の瞳で黒騎士を睨み付ける。杖を強く握り直すと、高鳴る心臓を落ち着かせるように敢えて冷静に話を続けた。
「ねぇ、黒騎士さん。今日はもう引いてもらえませんか?私は回復術を使えるし、消耗戦にしかなりませんよ」