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セレスタイトの歌声【サモンナイト2】

第8章 セレスタイトの歌声


「──さようなら、哀れなまでに無知な娘よ」

レイムのその腕が高く上がり、勢いよく振り下ろされた瞬間。

イオスはアレスを掻き抱いて、衝撃に耐えようと身を堅くする──しかしいつまで経っても苦痛は来なかった。
何が起こったのかと、片目を開いて状況を伺えば…

「…な…っ」

レイムの腕を掴み上げ、そいつの華奢な体を地面から浮かす赤髪の男がそこにいた。

「あぁ…」
「ルヴァイド様!?」

ふわりと髪を靡かせながらアレスとイオスを庇い立ったのは、絶命したであろうルヴァイドだった。

「この死に損ないが…っ!」

ここにきて、初めてレイムの顔色が変わる。
アレスからではルヴァイドの表情を見ることが出来ない。
しかし、戻ってきた理性が、あれだけの出血で立ち上がる事は不可能だとアレスに告げていた。

(夢を…見ているの?)
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