第8章 セレスタイトの歌声
「…今まで国の為に尽くしてきた軍人に対する報いがこれか!?」
レイムに罵声を浴びせながら、気付けばイオスは涙していた。
一番傍でルヴァイドの苦労を見てきたからこそ、あまりの不条理に悔し涙をこぼしたのだ。
「…いおすヨ、ココハ我ニ任セテ退ケ」
死んだ仲間の剣を拾い上げ、その剣先をレイムに向けたイオスをゼルフィルドは制した。
「隊ハ壊滅…将ヘノ不義理ヲ考慮シテモ、コレ以上国ニ従事スル謂ワレハナイダロウ」
元よりゼルフィルドは機界生まれで、イオスは帝国出身である。──デグレアを捨てることは、たやすかった。
「…裏切ると言うのですか?」
レイムがひたりと、生き残った二人を睨みつける。
「ほざけっ!貴様が先にルヴァイド様を裏切ったのだろう!!」
「止メロいおす!オ前デハこいつニ適ワナイ!!」
今にも飛び出さんとしたイオスの腕を掴み、ゼルフィルドは言う。