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セレスタイトの歌声【サモンナイト2】

第8章 セレスタイトの歌声


事情はわからないが、強い思念で助けを求めてる。

「アレスは旅団にいるはずだ──テメェらは計画通り王都を出やがれ。…直に会えるだろうよ」

その時まで、オレ様の大事な槍を預かっとけよ。

「おいっ!ちょっと待てよ…バルレルッ!」

マグナの怒鳴り声など無視して、バルレルは立ち上る煙のように姿を消したのだった。


+++

「…くそが…っ」

ゼルフィルドの頑強な体に庇われ難を逃れたイオスは、最悪の状況に舌打ちを漏らす。

目の前の召喚師が只者で無いことは、任務の顔合わせの時から感づいていた。しかし顧問召喚師という立場でありながら部隊を壊滅させるとは……気が狂っているとしか思えない。

(ルヴァイド様は、アイツの狂気にやられたのか…)

父親の愚行により、反逆者一族としてのレッテルを貼られ、常に不利な立場に立たされていたルヴァイド。
しかしそんな上司の弱気な顔など見たことがない。
努力を怠らず、理不尽に耐え──そして軍の中でもあぶれた者達を、その聡明さと指導力で率いてきた。

決して表舞台に立つことのなかった【黒の旅団】が、デグレアの遊撃隊と呼ばれるほどに暗躍してきたのは、偏にルヴァイドという存在があったからこそ。

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