第8章 セレスタイトの歌声
「貴女が生き残り、結果として自由になるためには、厄介者が消えてくれた方が嬉しいでしょう?」
「厄介者だなんてそんな…私は本当にルヴァイドの事を愛したのよ!?」
「でも最初は貴女も打算が働いたはずですよ。そしてルヴァイドも、貴女の恋慕の背景に思惑があると知って軽蔑した」
貴女も見たでしょう?
貴女を見つめるあの冷えた眼差しを。
「彼は私の言葉に疑心暗鬼になり、隙を突かれた。つまりは彼の魂は私の奸計に落ち、貴女は勝利したので生き残った──結果としてはそんなところですね。ゲームはドローといったところでしょうか」
道化のようにおどけて見せるレイム。
腕の中で血の気を失って青ざめていくルヴァイドに、アレスは大粒の涙を零す。
「あんたはルヴァイドの心を弄んでた…初めからルヴァイドを殺すつもりだったんでしょう…?」
「ご名答です」
私は彼をじわじわと追い詰めて、いつか絶望に身を焼いて死んでくれるのを望んでいました。
にっこりと、レイムは言った。