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セレスタイトの歌声【サモンナイト2】

第8章 セレスタイトの歌声


「…それでは駄目だ」

俺一人ならそれでも良い。
俺には父の汚名を雪ぐため戦果を上げるという大儀がある。だからこそ、理不尽な任務にも耐える事ができる。
しかし部下達にはそれに付き合う義理がない。
不透明な任務で部下達が不利益を被るなら、それを阻止するのが司令官としての俺の役目だ。

「職務放棄で懲罰されても?」

レイムの瞳が鋭くなる。人を小馬鹿にするような笑みも消えた。

「…汚れ役を担うのは俺一人で充分だ」

ルヴァイドの言葉に、レイムは腕を組んで鼻を鳴らす。

「だから貴方は、レルム村の襲撃時に自分の部下を出陣させなかったのですね」

自ら尖兵となり、命令に従って戦鬼になった。

「まぁそれも私が傀儡を用意してあげたからですけど」

おかげで部下の手は、罪のない人間の血に汚れる事はなかった。

「…それは、感謝している」
「愛しい者の頼みなら当然です」

ルヴァイドが嫌がると知っていて、わざと厭らしく言うのはその性根の悪さから。
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