第8章 セレスタイトの歌声
意を決したようなルヴァイドの表情に、レイムはおやと首を傾げた。
「何ですか?言いたいことがあるのなら、はっきり言いなさい」
顧問召喚師はデグレアの慣習上、外部から雇い入れている。
そのため編成される隊や任務の内容によって、与えられる待遇も違う。
今のレイムは、総司令官のルヴァイドよりも元老院に近い立場にいた。
強い口調で、先を促す。
「……元老院の長老達の真意は、どこにあるのだ?」
軍事都市の手駒として働いてきたルヴァイドが、初めて任務以上の内情を問うた。
それは解答次第で作戦参加を放棄するかも知れないという、任務の取捨選択をしようという彼の小さな勇気の芽だった。
もちろんレイムが、ルヴァイドのそのような心変わりを許すはずもない。
「どうしたのですか?貴方がそんな事を聞くなんて」
貴方がたは従順なるデグレアの手足でしょう。何も考えず、命令通りに動けば良いのですよ。