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セレスタイトの歌声【サモンナイト2】

第7章 クリソプレーズの囁き


じっと見つめて来る深紅の瞳に、恥じらいに揺れる紫色の瞳。

アレスはルヴァイドの瞳の奥に、僅かに熱を感じてその体を押し返した。

「…ルヴァイド、ダメよ…」
「口付けぐらいは良いだろう?」

返事を待つ気もないのか、早急に感じたルヴァイドの吐息に顔を背けるアレス。その耳は真っ赤で、可哀想なくらいにオロオロとしていた。

「止めてって言ったら、止めてくれるの?」
「……善処する」
「善処じゃダメなの。私…その…そういうこと、し、したことが…ないから…」

ルヴァイドはモテるだろうから、さぞご経験も豊富なんでしょうけど。

「…意外だな」

その容姿端麗な身で、まだ生娘だったとは。

ルヴァイドの呟きを卑屈に受け取ったアレスは、「だって相手が居なかったんだもの」とブツブツ言いながら落ち込んでいる。

「ならば、大切にしないとな」

アレスの前髪を指で流しながら、ルヴァイドは優しく言った。
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