第7章 クリソプレーズの囁き
「だから……一緒に寝てくれる?」
先程のお返しと言わんばかりに、思いの丈を口にするアレスだったが、無反応なルヴァイドの様子に慌てて頭を振った。
「ち、違うのよ!?一緒に寝て欲しいって、そーいう意味じゃなくて…ただちょっと寂しいから…」
「訂正しても、言ってる意味は同じだぞ」
「だーかーらっ、ただの添い寝よ!!」
色々あって疲れたから、ルヴァイドの腕の中で眠りたいの!
語気荒く言うのは、ただの照れ隠し。
ルヴァイドは思わずにやけた口を手で隠すと、ゆっくりとベッドに上がった。
「姫の願いとあらば喜んで」
二人分の重みでベッドが軋む。
ルヴァイドはアレスの隣に潜り込むと、まだ火照りの残るその体を力強く抱き寄せた。
「…密着し過ぎ」
「お前の希望なのに何を言う」
恥ずかしがるアレスが可愛くて、ルヴァイドは笑みを隠すことが出来ない。
薄暗い視界でアレスの表情をしっかりと見たくて、抵抗する顔を無理やり向かせた。