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セレスタイトの歌声【サモンナイト2】

第7章 クリソプレーズの囁き


破顔するアレスに釣られるようにして、ルヴァイドも口元を緩めた。
しかし、すぐに真顔に戻ると、わずかに言い渋る様子で問い掛ける。

「…一つ聞いて良いか?」

夜の山に独りでいたこと。
何かしらアレスにとっての不都合があって、そのような危険を冒さなければならなかったのだろう。
それは言いにくい事であろうが、ルヴァイドは聞いておくべき事項だと認識していた。

アレスを見やれば、毛布で顔を覆い隠している。
やはり言いたくない事があったのかと、ルヴァイドの目つきが鋭くなった。

「……嘘がバレたの」

毛布越しでもその視線を感じたのかは知れないが、アレスはぽつりぽつりと話し始める。

「ゼラムで聖女達に顔を見られて帰って来れなくなった時、もちろん怪しまれたのよ。何でそんなに身綺麗なのかって。……旅団の連中と繋がってるんじゃないかって。その時、とっさに嘘をついたの」

旅団とは何の関わりもないって。

「……本当の事を言って、嫌われたくなくなかったの」

今思えば、人の良い彼らに自分を受け入れて貰いたかったのだ。
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